営業畑で働いていると、あの人は営業力があるとかないとかの話になることがある。
そもそも営業力ってなんなのだろうか?
私は営業力=信用力だと考えている。
いかに相手との信頼関係をスムーズに築き、商談に持ち込むことができるかが、営業のカナメだ。
ではどうやって信頼関係を構築すればよいのか?
売る商材によって即決営業や時間をかけて深耕する営業など違いはあるが、基本は同じである。
ポイントは2つ。
1.自分のことを知らせ、相手のことを知ること。
2.その分野において、プロフェッショナル(自信がある)であること
要はこの人に任せようと思ってもらえるかどうかが重要なのである。
または、完全に任せてもらえなくても、しょうがない、こいつにだったら任せてやるか、という感じに持っていくのが重要である。
それでは順番に解説していこう。
1に関しては、当たり前のことなのだが、これがしっかりできている営業マンが少ない。
先ずはきちんと自己開示すること。
会社の紹介はもちろんだが、自分自身のことでもよいし、オープンマインドを伝えるのに自己紹介はかなり重要である。
具体的な手法としては、自分の家族構成やその写真を見せるだけで、かなり信頼度があがる。
子供の年齢が、近い場合などはそれだけで話が盛り上がるし、かなり効果的なアイスブレイクになるだろう。
次に相手のことを知ること。
はっきり言って、自分のことを開示するよりも、相手を知ることの方が信頼を構築する上で重要度が高い。
自己開示は相手を知るための準備のようなものだ。
営業マンとして知っておくべき重要な知識として、【人は相手を知ることより、自分のことを知ってもらう方が信頼度か増す】ということがある。
信頼関係を構築したいなら、ペチャクチャ自分が話すのではなく、相手の話をなるべく沢山引き出すことが大切だ。
そこで大事になるのが、相槌やおうむ返し、相手を褒めたり、良いリアクションをとること。
コツとしては相手の話に対して、相手が話したことをそのままもう一度口にすることに意識することだ。
どうしても人の話を聞いていると、自分の考えをぶつけたくなるが、あくまで相手の話を尊重し、単純に言ったことを繰り返す方が好印象を残すことができる。
相手が7割、自分が3割くらいの割合で会話をすると良いだろう。
次に2のその分野のプロフェッショナルであること、について解説していく。
その分野において人よりも多くの知識を持っていることは勿論だが、ポイントとしては「顧客の先生になる」ことだ。
例えば私の場合、顧客からこういう条件で見積もりしてほしい、と言われても、そのまま言われた通りに見積もりを提出することが少ない。
3Dプリンターで見積もりをしてほしいと言われても、切削や成形など、違う工法で見積もりを提出するのだ。
そのためには案件の内容やものづくりする意図を詳しくヒアリングし、より的確で効率的な製造方法を提案する。
この分野においては自分の方がプロフェッショナルな訳だから、より良い提案ができて当たり前である。
そうすれば、自ずと顧客からありがとうの言葉を貰え、相見積もりになることが無くなる。
世の中の先生と呼ばれる職業、例えばお医者さんをイメージすると分かりやすいと思う。
お金をもらう側ではなく、お金を払う側の人間が、ありがとうを自然と言えるような、先生になることを意識すべきである。