結局は強い想いが結果を引き寄せる。
新卒で入った商社で営業をしていた頃に、印象的だった体験がある。
当時、売上達成額で昇級が決まる制度だったのだが、ある案件を月内に工事完了すれば、役職があがるというチャンスが訪れた。
しかし、既に受注はしているものの、その商材は工事段取りに時間がかかり、どうしても月内完了することができなかった。
そこで、他に扱っていた複合機に目をつけた。
複合機なら工事が簡単なため、すぐに設置することができる。
ただ、残り時間は限られており、今から新規で複合機を買ってくれるお客様を見つけるのはかなり難しいのが現実だった。
そこで、なんとしても達成したかった私は、会社の同僚や先輩や上司に電話をして、どこか複合機が売れそうな客がいないか、徹底的に情報収集に励んだ。
その会社では営業各個人の数字が重要視されるため、わざわざ後輩においしい情報を与えることは通常考えられないことだったが、あまりの熱意にある先輩社員が情報をくれた。
感謝をつげて早速電話をすると、事務員さんあてに1件のアポが取れた。
そして会社に訪問すると、たまたま社長が会社に戻ってきており、直接社長と話をすることができた。
話を聞くと、1ヶ月程前に今利用している複合機の営業マンが売り込みにきたが、営業のやり方が気に入らなかったという。
豪快な社長だったため、その場で価格交渉があり、やりとりの果てに私もお客様も気持ちよく契約することができた。
翌日その成果を社内で発表する機会があり、偶然が重なって受注まで至った経緯を発表した。
すると当時のトップセールスから「それだけ思えば願いは叶うもの、運が良かったのではなく自分で引き寄せた」と言われたのをよく覚えている。
営業が数字をあげるには、色々なものを活用し、とにかくがむしゃらに努力し続けると、自ずと結果がついてくる。
テクニックも大事だが、やはり幹になる想いがないと成果はでないだろう。
