企業が成功するまでを記した本は沢山あるが、失敗を記した本は少ない。
しかしながら、どちらが為になるかといえば、後者だと思う。
企業が成功するには外的要因も大きく絡んでおり、いつ誰がどうやっても成功するものなんて無いだろう。
それに比べて失敗から学ぶものは非常にわかりやすく、実践しやすい。
そんな失敗を具体的な事例から学べる本だった。
この本から特に学んだキーワードは6つ。
「トップは数字に強いこと」
「余力を残した投資が鉄則」
「成果主義のリスク」
「市場の成長率にアンテナを張る」
「デリバティブに気をつける」
「同族経営の確執」
経営者に求められるスキルは多岐に渡るが、やはり数字に強いことの大切さを感じた。
どの事業のどの部門が利益を得ているのかを常に分析し、投資と利益のバランスを考えていかなければならない。
黒字でもキャッシュを手元に用意できなければ倒産する。
そういったリスクを根本から理解しなければならないと感じた。
改めて工業簿記等の勉強の必要性感じたので、そういった分野の本も読んでいきたい。
最終節に記されている、セラミック中小製造メーカーの倒産までの記述は特にショックを受けた。
多角経営の難しさや市場環境の変化に翻弄される2代目経営者の不安や悩みが痛いほどに分かり、他人事だとは思えなかった。
どんなに真面目に、真剣に悩んでいても会社を潰してしまったらそこで終わりである。
誰がなんと言おうと最終的に経営者に求められるものは「結果」だ。
僕も来月には会社を設立し、企業の代表となる。
学ばなければならないことが山のようにあると思うが、一歩づつ、一歩づつ、進んでいきたい。